ある日の質問と進学塾シードの「教える」

投稿日 : 2011年06月01日, カテゴリー : 塾長のBLOG

英語編

生徒:先生、現在完了形が全く分かりません。教えてください。

先生:具体的に話してくれるかな。たとえば、どんな文が分からないの?

生徒:いろいろあるけど、たとえば「I have studied.」と「I studied.」の違いがわかりません。

日本語訳はほとんど同じなのに、どこが違うんですか?

先生:たいへんいい質問だね。「どこが違うんですか」という質問をする時は「どこが同じですか」も一緒に考えようね。しつこいですが、二つの文のどこが同じかな?

生徒:主語の「I」と動詞の「studied」が同じで、日本語訳もほぼ同じです。

先生:そうだね。まず、日本語訳が同じ理由は日本語には英語の現在完了形に相当する使い方がないので、仕方なく過去形的な訳を当てている。つまり、日本語訳に頼ったのでは現在完了形の本質はわからないということです。

生徒:日本語訳に頼らないで英語を理解することができますか?

先生:英語を日本語に訳して理解しようとする態度はおそらくどこかで行き詰るよ。ネイティヴの人たちが表現しようとしている状況を感じながら日本語訳をする態度がとても大切だよ。

生徒:それじゃあ、「I have studied.」「I studied.」はどんな状況を表現しようとしているのですか?

先生:いい質問のしかただ。「I」「studied」が同じということは「have」があるかどうかの違いだよね。「have」はどういう状況で使われる言葉だったかな?

生徒:have空間を表していて、モノや状況を支配している空間です。

先生:そうだね。それでは、「I have studied.」は何を支配しているの?

生徒:   「studied」、つまり「勉強した」という状況を支配しています。

先生:その通り!「勉強した」という過去の状況を、今現在「have」している、つまり過去に勉強し始めて、勉強してしまったということを現在強く感じて、相手に伝えようとしている状況です。どんな場面で「I have studied.」を使うかな?

生徒:たとえば、お母さんから「あんた、勉強したの?」と聞かれたときなどかな。

先生:そうだね。お母さんに勉強してしまった状況を訴えたいよね。そんな時もし「I studied.」って答えたらどうなるかな?

生徒:うーん・・・。「何!思い出話してるの!」って言われそうだ。

先生:そう、過去は遠い思い出の世界、現在完了は過去の出来事が今に迫り、今どうなのかを訴える時の世界だね。

生徒:よーくわかりました。ありがとうございました。

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